パステルデイズ


「菜美、菜美‼︎こっちこっち‼︎」

どうやら見つけるタイミングは同じだったらしい。


私を見つけると同時に大きく手を振って呼んでくれるおばあちゃん。



その姿がかわいくって思わず笑みがこぼれた。


「おばあちゃん‼︎」


「よく来たね〜JRなんて長かったでしょ?」


「そんなことないよ。案外あっという間だったし‼︎ちょっと寝てたし(笑)」


「そう?それならいいけど」


お正月以来に会うおばあちゃんは
相変わらず私の大好きな優しい空気をまとっていた。


「菜美ちょっとふっくらしたんじゃない?」


…まじで?


「い、いいんだよ。夏は自然に痩せるから‼︎」


そういうとケラケラ笑うおばあちゃん。
ついでに私もケラケラ笑う。


友達以外と笑うのは随分久しぶりのことだ。





家族は嫌いだけど祖父母のことは好きだった。


とはいっても会う機会自体が少ないから嫌な部分がお互い見えないってだけかもしれないけど。



…おじいちゃん、おばあちゃんには嫌われたくないなぁ。好きだし。



そんなことを考える。
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