パステルデイズ

私のおばあちゃんは案外アクティブだ。

車の免許を持ってて移動に車をよく使う。

友達と旅行に行ったり趣味でボーリングをやってたりする。


もちろん今日も駅まで車で迎えにきてくれた。


「ちょっと待っててね。今からエンジンいれるから。」


おばあちゃんはエンジンをかけて車の中に冷房をかける。


夏の悩みだよね。すぐに車に乗れないこと。


ぐるっとなんの気もなしに周りを見渡してみた。


しばらくぼんやり眺めていると私と同じくらいの男の子がこっちを見ている(気のせいかもしれないけど)のに気がついた。


遠くだから顔はよく見えない。


背は高そうでシャツにジーパンというシンプルな格好。


なぜかわからないけど私は彼を見つめていた。


彼も私を見ている気がする。


「いいよ〜冷えてきたよ。」



おばあちゃんの言葉でやっと私は彼から目をそらした。

「うん。」

ドアを開けて車に乗り込むときさっき彼がいたところをチラッと見た。


彼はすでにいなかった。
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