電車で見かけるあの子
「まじか、じゃあその日に行って写真撮るか」
田中先生は非常勤であんまり学校には来なかったが教え方が上手で、面倒見のいい先生だった。
俺は田中先生の担当科目が苦手で、随分お世話になったから、卒業前にはお礼と大学の報告をしようと思っていた。
友だちも、それほど苦手ではなかったけども、俺と二人ですぐに帰れるはずの田中先生を捕まえてよく質問をしてた。
そんなこともあって、二人で田中先生と会う気満々でいた。
『けどなー…その日すげー忙しいらしくてさ、聞いたら朝しか確実に会えないって言われたんだよな』
田中先生は他の生徒、ひいては他の学校からも人気だ、仕方ない。
「じゃあ朝から行こーぜ、どうせ暇だろ俺ら」