電車で見かけるあの子
『まあ、お前がいいんなら別にいっか、
じゃあ朝、授業あった頃と同じ時間と場所で待ち合わせな』
「おう、遅刻すんなよー」
話をしていた時は、なんで友だちが俺が朝を嫌がると思ったのか深く考えなかった。
けれどその日が近付くにつれて、だんだんと理由が分かってきた。
あの子だ。もう会うことはないだろうが、もし万が一前の時間に戻っていたら、会うんじゃないか、そういう心配をしてくれたんだ。
多分、大丈夫。
俺は自分に言い聞かせた。