電車で見かけるあの子
少し来ないで欲しいと思っているとすぐにその日はくる。
友だちと約束した先生に会う日になった。
緊張して、朝は早く起きて、布団の中でぼーっとしてた。
それでもまだ余裕でゆっくり朝ご飯を食べて、着替えて、カメラやら携帯やら荷物を鞄に詰めた。時間は丁度良いくらいになってた。
「いってきまーす」
お母さんが寝ぼけ混じりの声でいってらっしゃいを言うのが後ろから聞こえた。
家から駅に着くまで、ずっとドキドキしてた。
もしかしてあの子に会うんじゃないか。
まさか、そんな都合良いことがあるわけない。
奇跡が起きて、最後の最後であの子と話せるかもしれない。
それこそあり得ない。少し懐かしいいつもの電車だ。
駅着く頃には頭の中はあの子に会えるか会えないか論争が白熱していた。
電車に乗れば、すぐ答えが出てしまう。
久しぶりってだけで普段の、あの頃の何倍も緊張する!あの頃は毎日こんな緊張と戦っていたっけ!?
電車に乗る時には頭の中はプチパニック状態だった。