電車で見かけるあの子


なんだそれ。
俺があれだけ落ち込んだ日、あの日から俺は避け始めて、
この子はあの日から良い方向に行った?

同じ日に同じ空間にいたのに、こんなに続きが違ったのか。


『でも俺ぜってー振られると思った、ぜーったい。』

「えっなんで??幼馴染みたいなもんじゃん、あたしのこと1番知ってるのなおだと思うよ?」

それを聞くと男の方はかなり照れたらしい、小さい声で、

『そりゃあ俺だって、その、小さい頃から好きで、誰よりも好きな自信あるけど、それでも、告白する方は不安でいっぱいなんですー』

そう言って男の方は顔を俯かせて喋らなくなった。
横から見る限り、耳が真っ赤で照れてるのがよく分かった。
その様子を見てあの子は凄く幸せそうに、楽しそうに、男の髪を触りながら話しかけていた。

ああ、よかった。

と思った。


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