電車で見かけるあの子
高校に入って半年経った時、
私の中での大事件が起きた。
彼と学校でとうとう会うことができた!
まあ、会うことができたって言っても、廊下を歩いてたらたまたま友達と話しながら歩いてくる彼を見つけて、すれ違っただけ。
きっとその日は、彼にとってはなんでもない普通の一日だったんだろうけど、私にとってはものすごーく大切な日だった。
そうやって、周り、特に彼にとってはなんでもないけど、私にとっては大切な日というのがだんだん増えていく。
そういう日が増えるってことは彼と会えるってことだから嬉しいには嬉しいけど、この、気持ちの一方通行な感じが私の胸を締め付けた。