電車で見かけるあの子



〝うん、そこは良いコンビになる気がしてたんだよな〜〟

私たちを見て先生は頷きながら言う。

『えーなんでなんでー??』

「コンビて、漫才じゃないっすよ〜
それに俺とじゃ流石に失礼ですよー」


2人に言われた先生は笑顔で言った。


〝だってお前ら2人とも第一志望合格して、なおかつ第一が丸被りだし、なーんか性格似てるしな〜〟

先生は腕を組んでうんうん頷いてる。

〝まあ、せっかくだから仲良くしておけよ〟

私は、頭の中で先生の言葉を反芻してた。第一志望が、丸被り、てことは、私、また会えるかも…?

「へー!そうなんだ!じゃあこれからよろしく〜」

彼はニコニコしながら私に言う。
私はびっくりして、あと照れて、きっと顔をさっきよりも真っ赤にしながら元気に笑顔で答える。

“うん!よろしく!”

横では彼の友だちがずるいーとかなんとか言って、先生は満足そうにしてる。
でもきっと先生より、私の方が今笑顔なんだろうな。

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