電車で見かけるあの子


それからというもの、その子のことを目の端で見ていた。ストーカーっぽくて、キモいなと自分で思いながらも、心のどこがでその子見てる自分がいる気がした。


俺はもともとあんまり寝坊しないたちだけど、その子が電車に乗り始めてから何と無く朝の時間が前より好きになってた。

俺が電車に乗り、椅子に座ってごそごそと本を取り出して、1ページ読み終わるか終わらないかくらいで、彼女が乗ってくる。

そんな毎日が俺の日常になってた。

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