電車で見かけるあの子


[えっ…?]


なんて言ったのか分からなかった。
頭が停止しちゃって、よく分からない。
え、

付き合うって、そんなにあっさり…?

私は呆然としてた。そしたら彼が


【なに、付き合わなくて良いの?】

ちょっと不機嫌そうに言った。
私は自分の中の不信感とか、違和感を投げ捨てて思わず叫んだ。

[付き合いたい!]

【あ、そ。
じゃあこれからよろしく。
適当に俺のメアドとか連絡先誰かに聞いといて、
そしたら俺に教えて、そんじゃ】

彼はそう言って、荷物を持って、何処かに行ってしまった。

去り際に一応聞いたりもした。

[どこに行くの…?
あの、こういう時ってもう少し話したり、せめて一緒に帰ったり…]

ため息をついて彼は言った。

【俺予定あるから、帰りとか約束あるし
携帯あんだらそれで連絡できんじゃん】

その後、彼は後ろを振り返りもしないで消えた。

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