わたしは好きな人が二人います
断れるわけもなく
「…いいよ」
そう答えて固まっていた。
「俺、すっげぇゆなのこと好き。」
先の読めない隆平の行動にわたしは
心臓が爆発しそうになっていた。
すっと離れた隆平はわたしを向かい合わせにさせて
優しい笑顔で頭を撫でてくれた。
「教室戻るから、ゆなはその真っ赤な顔をどうにかしてから来いよ!」
じゃあ、と廊下にむかう隆平は
ドアのところで立ち止まり振り返ると
「祭りは、えっろーい浴衣でな」
手をひらひらさせて行ってしまった。
「りゅうちゃんの、えっち!!!」
わたしの声は彼に届いたかはわからない。
ただ、
隆平の言動を思い出すど
しばらく教室に戻れそうにはなかった。
「あのりゅうちゃんが…嬉しいけど……なんかずるいよ…」