rizumu
「ないてる??」

幽霊が聞いた。

うっそ・・・私泣いてるの??

なんで??

「気にしないで。お父さんのこと思いだしちゃって・・・」

「そっか・・・お父さんが大好きだったんだもんね。そしてそんなにお母さんのことが憎いんだ。」

そーよ・・・

私はお父さんが大好きだった・・・

今もそれは変わりない・・・

だから泣いているのよ・・・

「そうですか・・・。事情も知らないのに・・・お母さんのこといろいろ言ってすいません・・・。あなたもつらい過去を思い出してしまったしぃ・・・」

「いいよ・・。べつに。うちがあいつと仲直りしたいって思ってないってことがわかればそれで。」

「わかりました。あなたは心の底からも仲直りなんてしたくないって思ってるってことが。十分に。」

「わかってくれれば・・・」

私は言葉を遮られてしまった。

別に話をつづけられなかったわけじゃない・・・

だけど彼が口から放った言葉はあまりにも驚きで・・・

こいつ正気じゃないんじゃないの?って思えるくらい・・・

そして・・・天国にも響きそうなくらい大声だったから・・・
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