君のこと。
外は暑いけど、
雲ひとつない空が
あまりに気持ちよくて
上を見ながらのんびり歩く。
「あぁ…いい気持ち…」
20分くらい歩いてたら
学校が見えてくる。
耳を澄ますとあかりの怒鳴り声。
「陽ーーーーー!!!!!!
走れえーーーーー!!!!!」
こわっ!
条件反射で
私の足は走り出す。
肩で息をして俯いていると
みんなの笑い声が聞こえた。
「まったく〜陽はいつもこうなんだから!」
こんな風に笑うあかりが
私は昔から大好きだ。
「てゆか、陽寝てただろ!
寝癖!」
私を指差して笑う唯人くんも
大好きだ。
みんな、私の大切な友達。
寝癖を手ぐしで直すフリをしていたら、
もう一人の男の子に気がついた。
高い背に銀髪が印象的。
私を見て笑っていた。
あぁ……これがイケメンというのか。
なんて、冷静に納得。
「…誰?」
あかりに聞くと
びっくりした顔で返事が返ってきた。
「陽知らないの?
隣のクラスの斎藤 空くんだよ?」
「……知らん。」
「陽…たぶん女子で空のこと知らないの、お前だけだぞ。」
唯人くんにも
呆れた顔で言われてしまった。
「ふぅん…
なんでもいいけど、よろしく!
鈴木 陽だから、
陽さまって呼んで!」
と言って右手を出したら
「「調子のんなっ」」
あかりと唯人くんたら
仲良しすぎてハモっちゃうんだから。
まったくもう!