窓際の彼
〈裕 side〉

暖かくていい天気だ。
今日は俺がこれから通うことになる桜ヶ丘高校の入学式だ。
地元だったし、学力も自分に合っていたから中学の時の先生に言われてここを選んだけど、特にやりたいことがあったわけじゃない。

『あー。ねみ。』

ゆっくり歩いて学校へ向かった。
入学式なんてだるいし、めんどくさい。
友達や女にも別に興味もないし、中学の時からモテる方だったから、門に入った後の女の甲高い歓声に嫌気がさしていた。
だから俺は学校に行くのが嫌いだ。

でも、俺に興味も示さない、むしろ俺を冷めた目で見る女が現れるなんて、今は思いもしなかった…
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