初めてのキス
もう、他の教室には誰もいなかった。
しずかな教室のなかで私は1人で携帯をいじっていた。
「よっ!!遅れてごめん」
いきなり現れた健二の姿を無視して、私は携帯をいじっていた。
「わるかったってー」
謝りながら近寄ってくる健二。
「いっぱい待ったし!」
私の視線は携帯の画面に向かっていた。
そんな私をみた健二は後ろに回ってきた。
「悪かったって…」
耳元で言われた言葉にドキドキを隠せないでいる私に、さらに健二は腕をまわしてきた。
「ちょ……!!」
焦る私を無視して、健二は自分の顔を私の肩においた。
「2人っきりになりたかったからさー……」
聞いた時、私は健二の方を見た。
見た瞬間、私と健二との顔の間には、わずか5センチしかなかった。
あとちょっとでも、動けば当たりそうな唇……。
でも、健二の顔はどんどん近づいてくる。
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