ドリームマジシャン☆
『呪文…唱えて?』
「うん…」
『大丈夫だ。俺がついてる』
私は、呪文を唱え始めた
「記憶の精よ、我に力を与え、
そのもの達の記憶を消し去れ。」
(ポワ…)
お父さんとお母さんの体から、白いまん丸の物体がふわふわと浮かび上がる。
お父さん!お母さん!と叫ぶ、
小さい頃の私の声。
優しいお母さんの声。
お父さんの独特な笑い声。
まん丸の…
お母さんと
お父さんの記憶
ずーっと言えなかったけど、
お父さんとお母さんが
大好きだよ
『あんず…よくやったな…辛かっただろうに。』
『あんずちゃん…』
「次は、命の花の呪文をかけなきゃねっ…!」
そう、ニッコリ笑って。
上手く笑えたかどうかは知らないけれど
なんだか、2人が励ましてくれたから元気が出たんだ。