暇を持て余した諸々のあそび
8副隊長の場合

アルファ:
「忘れもしないうん十年まえのあの日、僕らは紙面という混沌の世界に産み出されたのである」

ジン:
スタスタ

アルファ:
「ガン無視!?ちょおっ、僕ここで小一時間スタンバイして待っていたのにガン無視!?」

ジン:
「なんだいたのか馬鹿(アルファ)。あまりに別世界の空気を張っていたんでどこぞの阿呆が召喚魔法を間違えたんだろうと思ったんだがな」

アルファ:
「馬鹿と書いてアルファと読ませないで」

ジン:
「ダイニングの扉の前でジョジョ立ちして中二くさい台詞を呟いていたら誰でも馬鹿か危険人物だと判断するだろ」

アルファ:
「せっかくかっこいいお兄ちゃんキャラになるために頑張ろうと思ったのに。まあそんなことはいいんだけれども、ジンくん今日お誕生日だったね」

ジン:
「俺に向かってキャラ改善とはだいぶ無謀だな…。誕生日だからといって、別になにが変わるというわけでもないだろう。できれば放っておいて欲しかったんだが」

アルファ:
「そうはいきません。くー助だけにいい思いさせて黙ってるなんて副隊長兼兄貴の名が廃りますからね。さっ、今日はジンくんの大好きなものを用意したんだぜ!!」こいこい

ジン:
「?」

アルファ:
「じゃじゃーん」

ジン:
「なんだその、明らかにまともな物は入っていませんっていうでかいプレゼント箱は」

アルファ:
「いやぁ探すのに苦労しました!100均でなんとかしようと思ってもセ○アにもダ○ソーにもこんな特大サイズ売ってなかったものですから!」

ジン:
「……………」ジト

アルファ:
「そんな顔しなくてもびっくり箱じゃないですよ。確実に君の好きなものですから、ささ、はやくリボンをといてーっ」

ジン:
「変なものが入っていれば即逆さ吊りにしてビア樽に漬け込むの刑だからな」シュルシュル

アルファ:
「わくてかわくてか!」

ジン:
「……………」ドキドキ

アルファ:
「てれれれってれー!特大バナナケーk」

ジン:
「地獄でほざけぇぇぇぇぇ!!」

アルファ:
「ぐはあっ…ぐはぁっ…はぁっ」(一人エコー)


黒輪:
「さて、解説を、れーちゃん」

レイン:
「はぁ。えー、主は元来フルーツ系統が得意ではないのですが、特にバナナは見るだけでじんましんのような症状が出るほどの恐怖症でアレルギーでも持ってるんじゃないか、というほどに拒否反応を起こすのです」

黒輪:
「完全無欠と思われていた隊長唯一の弱点なんだよねぇ」

ジン:
「レイン、この黄色い物体を焼却炉で燃やしておけ」

レイン:
「御意」

アルファ:
「いやぁぁぁっ、食べ物は大切にしてぇぇ!!」


※このあとバナナケーキはスタッフが美味しくいただきました


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