暇を持て余した諸々のあそび
16魔法使いと医者
クロヴィス「あれ、ねぇ俺のパイプ知らない?白い方の」
アーサー「さぁ」
ク「おかしいなぁ、ここに置いたはずなのになぁ。探し物って探している時に限って見つからないよねぇ」
ア「君は本当に発想が平凡ですね。いいことです」
ク「俺には誉め言葉ではないね。では君にとってどういう発言がお好みかな」
ア「そうですね。探し物が見つからないのではなく見つからないのが探し物です」
ク「だったら探す意味ないじゃん」
ア「探し物なんて往々にして見つからないものなんですよ。無くせばそれまで。必要なものは手放してはならないのです」クルクル
ク「あっ、それ俺のパイプ」
ア「資料室の引き出しに入っていました。これでもう探し物ではありませんね」
ク「君が探してくれたのか?」
ア「探し物は見つかりません」
ク「つまり探すという行為自体が無意味ということかな」
ア「さぁ。君が決めるんです」
ク「君は困るといつもそれだね」
ア「それしか定義する方法はありませんから。定義されざるものは」
ク「存在しない。それも君の口癖だな」
ア「それが、わたしの世界を決める唯一の手段なんだよ」