アルビレオ 〜あなたとわたし〜
1カノープス〜なかなか見れない星〜
「夜空はねいっぱい素敵なお話を浮かべているからきれいなんだよ」
そう言っていとこの兄さんは小さい私に色んなお話をしてくれた
巨大な怪物から姫を守った勇者の話、美しい少年がさらわれる話、
空に浮かぶ多くの物語は小さな私を夢中にさせた
お母さんの田舎で見上げる空はいつでも澄んでいて、
兄さんのお話も加わって
東京の家で見る空とは全く別の異世界のように見えた
夜の庭で寝っ転がって見上げた夜空は
天の川がきれいで、織姫と彦星が強く瞬いていた…。