足跡の、その先に。
第一話
夏生side
夏が過ぎ、少し肌寒くなってきた秋。
「俺、夏生のこと、好き」
あたし、蒼井夏生は、人生初めての告白をされました。
――――櫻田日奈多に。
*****************
日奈多は、小学校からの付き合いで、ほかの友達よりも遥かに仲が良かった。
あたしが笑うものは、日奈多も一緒になって笑ってくれた。
あたしが感動したものは、日奈多も一緒になって感動してくれた。
そしていつしか―――好きになってた。
好きっていう感情を理解してるかというと、そんなに理解はしていない。
だけど、この胸のドキドキは、「好き」の2文字以外じゃ表せないと思った。
「夏生ー!借りてたペン!」
「あー、投げて!」
あたしが自分の気持ちに気づいてからも、日奈多とはずっと「友達」として接してきた。
それでいいって、思ってたんだ。
だって、あたしは―――――癌だから。
病を持った彼女なんて重たすぎる。
そうでしょ?
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夏が過ぎ、少し肌寒くなってきた秋。
「俺、夏生のこと、好き」
あたし、蒼井夏生は、人生初めての告白をされました。
――――櫻田日奈多に。
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日奈多は、小学校からの付き合いで、ほかの友達よりも遥かに仲が良かった。
あたしが笑うものは、日奈多も一緒になって笑ってくれた。
あたしが感動したものは、日奈多も一緒になって感動してくれた。
そしていつしか―――好きになってた。
好きっていう感情を理解してるかというと、そんなに理解はしていない。
だけど、この胸のドキドキは、「好き」の2文字以外じゃ表せないと思った。
「夏生ー!借りてたペン!」
「あー、投げて!」
あたしが自分の気持ちに気づいてからも、日奈多とはずっと「友達」として接してきた。
それでいいって、思ってたんだ。
だって、あたしは―――――癌だから。
病を持った彼女なんて重たすぎる。
そうでしょ?
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