足跡の、その先に。



「あ、今日の薬…」


あたしは、ふっとそこから視線をずらし、薬をとろうとする。


瞬間。


「くっ…!」


突然発作が来て、床に手をつく。


「夏生ー、お昼ご飯…ってどうしたの?!」


お弁当を持った香奈が、あたしを見て、顔を真っ青にする。


「どうしたのー?」


「夏生、気分悪いのー?」


ちらほらとあたしのことに気づき始める。


「あ、夏生立とうとしたら転んじゃったの!保健室連れてくねー!」


「もー、びっくりさせないでよー」


「ははっ、ごめんごめん!」


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