足跡の、その先に。



香奈が外に出ると、先生はお母さんと私のほうに向きなおった。


「単刀直入に申しあげます。蒼井夏生さんの体はもう、危ない状態です」


「っ!!」


急に発せられた重たい言葉に、思わず息が詰まる。


「本当は今すぐにでも入院していただきたいのですが、あまりにも急だったので、明日に手続きということでよろしいでしょうか?」


「っ、じゃあ、明日からはもう学校にいけないんですか?」


「はい。そういうことになります」


「そん、な…」


もう学校には行けない。


幸樹にも、香奈にも、クラスの皆とも――――日奈多とも会えない。


そんなの、嫌だ。


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