足跡の、その先に。



「う、そ」


香奈は呆然として、あたしの手を握った。


「明日は学校来れるの?」


「うん」


「明日が、最後なのか…」


香奈は、すっとうつむき、でもすぐに顔をあげて笑った。


「でも、入院でしょ?死ぬわけじゃないじゃん!」


「…うん」


「だったらあたしが、毎日お見舞い来て、毎日面白い話して、毎日夏生を笑顔にしてあげる!」


「…っ」


「やー、これからは大変だなあ」


「香奈…」


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