足跡の、その先に。


「何泣いてんのよ、もうっ!」


香奈はがたっと立ち上がった。


「入院がなんだっていうのよ!」


言いながら、香奈は、ニコッと笑った。


「戻ってくるんでしょ?元気になって」


「っ」


「約束だよ?」


「うん…っ!」


あたしは、香奈と小指を絡ませた。






「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます!指切った!」」




その時、香奈のおかげで、あたしは笑えたんだ。


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