足跡の、その先に。
「ふふっ、いいよー」
「よっしゃー!」
香奈と幸樹は、二人して子供みたいに喜ぶ。
「夏生」
「ん?」
日奈多に声を掛けられ、返事をすると、日奈多はあたしの頭をなでた。
「俺も行くな。大丈夫?」
「あ、うん…っ!!」
「よかった」
ふっと笑う日奈多。
昔から日奈多は甘いものが大好きで、中でも一番好きなのが、りんごだった。
今日はアップルパイにしようかな…。
「あー夏生、櫻田のこと考えてたでしょ!」
「え?!」