足跡の、その先に。


翡翠は、俺からリストバンドを取り、また付ける。


「…まあええわ。どうせ今日別れるつもりやったし」


「は?」


「だって、あたしに会った時もずっとボーっとして、女の子のこと見てたんやもん」


「俺が…?」


「そ」


はあっと大きくため息をつく翡翠。


俺が、夏生を見てた?


無意識のうちにってことか…。


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