足跡の、その先に。



「でも、あたしが日奈多を好きなのは嘘ちゃうから」


「―――」


「正直、諦められへんけど、もう日奈多を頼るのはやめるわ」


すっと翡翠は立ち上がって、ニッと笑った。


「あたしはあたしで“自分”で立つから」


「うん」


「だからあたしのことは気にすんなや?」


「…おう」


「じゃ、またね」









俺、素直になっていいのかな。







< 126 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop