足跡の、その先に。
最終話
次の日。
俺は、袋を持ち、夏生のところに行った。
「あ、日奈多!」
俺を見た瞬間、顔をほころばせる夏生。
俺は、そんな夏生の頭を撫でながら、パイプ椅子に座った。
「あ、今日はこれ持ってきた」
俺は、持ってきた袋を渡す。
「え、これって」
夏生が手にしたのは、Happy Birthdayと書かれたカード。
「あたし、今日誕生日じゃないよ?」
「そんなんわかってるよ」