足跡の、その先に。



「あ、れ、ひな、た…」


夏生は、額に汗をにじませながら笑う。


「蒼井夏生さんのお知り合いですか?」


一人のお医者さんがそう言う。


俺が頷くと、お医者さんは曇った表情になった。


「私達は手を尽くします。あなたは夏生さんのそばにいてください」


俺は、言われたとおり、夏生のそばにいた。


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