足跡の、その先に。
第二話
日奈多side
俺には大好きな奴がいる。
「日奈多ーっ!」
ほら、いつだって俺の隣で笑ってくれている。
「夏生ー!速えよー!」
蒼井夏生は俺の彼女。
夏生は昔からいつも元気で、明るくて、お父さんが亡くなってからも笑ってた。
でも俺は知ってるんだ。
静かに泣いてたことを。
そんな姿を見て、俺は“俺が守らなくちゃ”って思った。