足跡の、その先に。


翌日。


「おはよ,夏生!」


「あ,おはよ…っ」


家を出ると,日奈多が待っていてくれた。


誰かと一緒に登校するなんて久しぶりで,待たれていると少し緊張しちゃう。


「あれ,日奈多髪切った?」


日奈多の髪は,うなじが隠れるぐらいだったのが,少し短くなっていた。


あたしがそう言うと,日奈多は照れくさそうに笑った。


「長かったから切った。でも,そんなに切ってないよ」


「そう?ずいぶん変わってみえたけどな」


「変?」


「ううん,カッコいい」


< 3 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop