足跡の、その先に。



そう思うほど、笑顔で夏生は玄関の門を開ける。


「夏生!」


「んー?」


俺は夏生を引き止めて、ぐっと腕を引っ張った。


ちょっとしたいたずらに。


「…っ」


俺はキスをした。


「…ばかやろう」


「は?!」


急にバカ野郎と言われ、吃驚する。


そんなにダメだったか?


焦っていると、夏生がギュッと俺を抱きしめた。


「せっかく寂しさを吹き飛ばしたのに…」


「え?」


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