足跡の、その先に。



「どうしたんだ?」


幸樹は頭にハテナを浮かべながら立っていた。


「幸樹には、知られちゃう、か…」


こんな姿見せて、隠すわけにもいかないもんね。


「夏生?」


「ごめん、幸樹。あたし、癌なの」


「ッ?!」


瞬間、幸樹は顔を真っ青にする。


「前からの癌でね、発作が、たまに起きるの」


「だったらすぐ日奈多に!」


「日奈多には、言わないで…?」

< 48 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop