足跡の、その先に。
「でも,もう少しで文化祭だなー」
「ああ,そっか」
今は秋の初め。
うちの高校では秋上旬に文化祭が行われ,あと1週間でもう文化祭。
「あたしたちのクラス,なにやるんだろうねー」
「幸樹[コウキ]が何か考えそうだけどなー」
「ふふっ,幸樹が考えることはいつも予測不可能だからね」
「そうだな」
幸樹というのは,同じクラスの藤崎幸樹[フジサキコウキ]。
中学校であたしと日奈多と知り合い,仲良くなった。
成績は常に上位で,本当はもっと上の高校いけるのに,「俺は夏生と日奈多と一緒がいい!」と言って,この高校に入った。
そんな他愛もない会話を交わしながら歩いていると,もう学校に着いた。