足跡の、その先に。



俺は、家庭科準備室を閉めて歩き出す。


すると、グンッと腕を引っ張られた。


「頼れるのが日奈多しかいないねん!お願い!一人にしないで!」


「…翡翠」


「お願い…」




なんでこの時、俺は、間違ってると思わなかったんだ。


本当に馬鹿だよな。


「バーカっ」


夏生にそう言われても仕方ないか。


< 59 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop