足跡の、その先に。


登校時間なだけあって,凄い人だった。


「夏生ーっ!!」


「あ,香奈[カナ]」


あたしたちが歩いていると,後ろから香奈が走ってきた。


新山香奈[ニイヤマカナ]。


あたしの親友で,癌のことも知ってる。


だから,ちょっとだけ過保護。


「学校まできてイチャイチャしなーい」


香奈はあたしと日奈多の間に入り,日奈多を睨む。


香奈は別に日奈多のことが嫌いなわけじゃない。


実際,日奈多のことを好きになったこともあるらしく,信頼してる印らしい。


「え,なんで新山知ってんの?」


日奈多はきょとんとする。


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