足跡の、その先に。
「おはよー」
「今日宿題あったっけ?」
「やっべー!俺やってねぇ!」
ガヤガヤと騒がしくなる教室。
しばらくすると、夏生と幸樹と新山が登校してきた。
「あ、夏生…おはよう」
俺が声をかけると、夏生はニッと笑った。
「おはよう!今日何かあった?」
「俺、委員会で呼ばれてて、早く来なきゃいけなかったんだ。ごめんな」
「ううん、大丈夫!」
にこっとわらう夏生に少しほっとする。
「よぉ、日奈多」
「…おはよう幸樹」
新山と夏生が席に着くと、俺の席に幸樹が来た。
「お前さ、結局どうしたい訳?」
「…」
「あの女が何なのかは知らねえけど」
とん、と静かに机に手を置く幸樹。