足跡の、その先に。



「日奈多…っ」


「ん?何?」


「今日、放課後、一緒に帰れる?」


あたしがそういうと、日奈多は申し訳なさそうに下を向く。


「ごめん。翡翠が待ってるから…」


「…翡翠?」


聞きなれない言葉が鼓膜を揺する。


“翡翠”ってまさか。


「文化祭のときの女の人?」


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