南の空
Episode1
初めて
私の朝は目覚まし時計で起きることはない
私の目覚ましは頭の天辺まで上ったお日様
お日様が上ったころが私の朝
その時間になるとアパートの1階だというのにレースのカーテンしかしていないこの部屋はちょうど寝ている顔に日光が降り注ぐ
今日もその時間に起きて化粧をして髪にアイロンを通して1本の電話を掛ける
「もしー?ゆうちゃん?支度終わったよー」
「りょっちー。15分後くらいに着く」
「あいよ。じゃーのー」
ゆうちゃんとは私の通う中学の2個上の先輩で学校に行く日はどちらかが予定のない限り毎回原付で迎えに来て一緒に登校する
この日もいつも通りゆうちゃんと学校へむかった