南の空
ゆうちゃんと出逢ったのは中1の夏前、親の事情で転校の多かったあたしはまったくと言っていいほど学校に馴染めてなくて毎日のように校舎裏で寝っころがって時間をつぶしていた
そのとき2個上の先輩たちと団体で話しかけてきたのがゆうちゃん
「1年?」
「そうですけど。なんですか?」
ジャージの色でわかる先輩の色は3年。初めは人見知りや転校ばっかりで人と関わるのにトラウマを持っていたせいもあって警戒心だらけで先輩への態度としたら最悪だった
でもゆうちゃんはあたしに特に深く話を聞くこともせず何かを悟ったようにその輪の中にいれてくれた
ちょっとして慣れてくると自然とこの人たちといるのが楽しいと思えた
元々いた地元では『また転校するだろう』という気持ちが大きく、それに転校ばかりで行くとこ行くとこでいじめがあり、常にどこへ行っても会えるように他元の高校生の友達ばかりだった
だから地元には特にこれといって友達がいなかった
そんなときにできた同じ中学の友達
嬉しかった
それから毎日のようにゆうちゃんとそのグループと遊んだ
その中にいた同い年のゆいとみずき
その二人は同い年ということもあってかたちまち仲良くなった