黒豹〜Black Panther〜
「あっ、なら……帰っちゃおうよ!!」
是非、そうして下さい……。
私は、早く藍の隣に帰りたいよ……。
「そうするか。おら、帰んぞ!!蒼矢、黎乃呼んで来い」
「……えっ!???」
「了解っす!!」
銀髪くんは、そう言って私の腕を掴んで勝手に歩き出す。
あの……、なんであなた達が帰るのに私も連れて行かれてるんですかね……?
蒼矢と呼ばれる赤髪くんは、更に誰かを呼びに掛けて行ってしまった。
「……瑚琴ちゃん、一緒に来てもらうからね。あいつ、土産持ってかないとうるさいからさ」
あいつって……誰ですか?
天使のような可愛い笑みを浮かべながら、私にそういう銀髪くん。
「……どこ行くんですか……?」
「溜まり場」
うん……。
溜まり場って、ドラマとかで良く見るあれですかね?
やばい、この人達……ヤンキー!???
購買に溜まっている人は私たちがというか、銀髪くんと金髪くんが歩くと端に寄って目の前には一本道が出来た。
騒がしいはずの購買は静けさが訪れていた……あと、女子の甲高い奇声がたくさん聞こえてきた。