黒豹〜Black Panther〜
なんか、ホントに……ドラマでも見てる気分だな……。
ドラマであったよね、金持ちが生徒たちが避けて出来た一本道を堂々と歩くシーン。
あぁ……藍が遠ざかって行くよ……。
私のより長い脚で人の腕を掴んだままずんずんと歩いていく金髪くん。
私は必然的に早歩きか小走りをさせられてるし。
私、この美形ヤンキーたちに連れて行かれてどうなるんだろ……。
私がそんなことを考えてる間も私の腕を掴む人の足は止まることなくいつの間にか下駄箱まで来ていた。
「おい、靴履き替えなくていいな」
「…………え?」
上履きで外に出ろっていうの、この金髪くん……。
"真城"と大きく書かれてるこの上履きで?
「……あっ、焔!!」
「……あんだよ?」
私が声を発するより先にもう靴を履き替えた銀髪くんが満面の笑みで立っていた。
呼ばれた金髪くんは、すごく眉間に皺を寄せていた。
「どっちの後ろに乗せる?」