【短編】甘い恋の法則
屋上に着いた瞬間に入る風。

心地いい。


このときは……


「なに、かな??」

恐る恐るたずねるあたし。

「なに、じゃねぇし。これ、お前が入れたんだよな??」


まだ金森君の中にあるラブレター。

確かに入れた。

霧谷君の下駄箱に。


でも、

持っている人は、金森君。


なんで金森君が持っているのか、理解するのに時間がかかった。


「なんで、持ってるの??」


「なんでって、俺の下駄箱の中にあったから」


あたし、

入れ間違えたんだ……

ようやくここで気がついた。

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