ほころぶ桜の花
「さて……」



1番先頭いた男と目が合う。

よくよく見たら、沖田総司だった。




新選組の幹部はよく島原に訪れる。

……副長、土方歳三に買われて肌を重ねたことだったある。

でも、遊女だもの。
肌を重ねるなんてよくあること。




京の島原の芸妓は身体を売らない、なんてよくいったもんだ。

自ら売ることはしないが、買われれば売る。




それは私も例外なんかじゃない。




「ねぇ。」

「……はい」




しばしの沈黙。




「僕がどうしてキミだけ残したかわかる?」

「………」




逃がしてくれるためだろうか。

いや、そんなことはありえない。



私は首を横に振った。
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