キスに秘められた大粒の涙
それから数分かけて、もくもくとお弁当を頬張って食べ終えた。


「あぁーお腹いっぱい」


「はい、食後の飲み物のお茶」


私は晃から、水筒のカップに入った冷たいお茶を受け取ると、ぐぐぐっと飲み干す。


「冷たくて美味しい!!」


「だろ」


「ねぇ、これからどうするの?
ずっと屋上に居るのも、気が気でいれないし」


晃は私のお弁当箱を片付けながら、こう言った。


「コンビニ寄って帰ろう」


「そうだね!でも、学校サボりだと思われて、補導されたら大変じゃない?」


「まぁ、確かにそうかもな
でな、それ終わったら雑談会な」


「雑談会??」


「色々話すんだよ!!
小さい頃の思い出とか」


「恥ずかしいから嫌だ
もっと違うことしょ?」


「例えば何?」


「お菓子食べながら、DVD見るとか!!」


「あーあ、太るぞぉー」


「少しくらいならいいもん」


「分かった分かった」



晃はイヤな顔一つせず、私の意見に賛同してくれた。



もしこの時雑談会をしていたら、私は過去の記憶を取り戻していたかもしれない。



本当の晃と過ごせる時間が刻々と迫っているというのに、肝心の私はまだ、真相にさえたどり着けていない。
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