キスに秘められた大粒の涙
私はもうどうすればいいのか分からなくなっていたら、誰かに話掛けられた。


「鈴、どうしたんだ?」


「晃~」


私は、晃におもいっきり抱きつく。


「ここコンビニだぞ
一体どうしたんだよ?
何かされたのか?」


「ひっく、ひっ、だってね
晃が…もう一人の晃が現れたんだから
どうすればいいのか分からなかった…」


「鈴…ごめん」


「え?」


「もう一人の晃が現れたのは俺のせいなんだ」


「何で?晃は何も悪くないよ」


「契約には、俺達が付き合う事は許されない
もし付き合うとなると、ペナルティーとして
もう一人の晃が現れるらしい」


「じゃあ…別れ」「絶対別れない!!!」



私の声に覆い被さるように言った晃が
いかにも涙声になりながらも、強気だったことか___



私、バカみたい。


晃がこんなに私の事を想ってくれているんだよ…?



そんな簡単に壊れてしまうくらいなら、最初から言わなきゃ良かったことなのに………



ただそれだけ、ただその一言だけ__
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