キスに秘められた大粒の涙
「実は夏海は、彼氏に振られて自殺未遂しようとしていたんだ…
それを俺が見つけて、夏海を助けた
それからは、夏海が俺にベタベタするようになって
でも俺はそれでもいいと思った
一つの命が助かったなら…」


「そんなことがあったんだ…」


「夏海は寂しいんだよ、きっと…
だから俺が傍にいないといけないって思ってた
次第に俺が鈴の元に行こうとすると、次第に脅されてさ、手の施しようがなかったんだよ!ごめんな、本当に」


「晃、その頬の傷どうしたの?
もしかして殴られた?」


「俺が夏海を裏切ろうとすると、知らない男が夏海の家にやってきて俺殴られるんだ
裏切る奴が悪いんだろ って…
いつもマスクで隠そうとしていたけど、今日はありのままの俺を見せるって決めたから」


「晃、私何も気づいてあげられなくてごめんね
私、ずっと勘違いしてたよ
晃に嫌われたって、ずっと思ってた
でもさ、やっぱり本当の事を話して欲しかった」


「俺、鈴を傷つけてばっかりだな」


「そんなことないよ!!」


「こんな奴が鈴を守る資格があるのかって、ときどき考えたよ」


「晃…」
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