キスに秘められた大粒の涙
只今学校の教室。

遅刻することなくついた私は、毎日晃の思いを綴った日記を書いているんだ。


少し早めに着いたので、晃が学校に着くのを頬杖をつきながら、片手にシャーペンを握って待っていた。


「水川さん、おはよ」


この声は晃だ!!!

思わず声にドキッとして、ジャンプしそうになった。


「あ、あのね…風間くん、明日卒業式だよね?」


「そうだね、高校最後で寂しいなぁ」


「それで、明日の放課後とか空いてる?」


「空いてるけど…」


「けど?」


「いいや、何でもない」


「なら明日一緒に桜道に行ってくれない?」


「桜咲いてないけどいいの?
願い半減するよ?」


「うん、いいの
じゃあ、明日よろしくね」


「分かった」



話が一段落した私はホッと胸を撫で下ろす。


断られたらどうしようかと思って、最初は焦りで一杯になった。
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