キスに秘められた大粒の涙
今日で着るのが最後になる制服を身にまとい、晴れ舞台を歩いていた。

晴れ舞台と言っても、いつもの通学路なんだけどね!

今日は一段と皆が美人に見える。


かわいい~かっこいい!!


なんて思いながらも学校に到着した。


「風間くん、おはよう」


「今日で最後だな」


「これからもずっと友達だからね」


「そりゃ、俺だってそうだよ」


「えへっ」


「何がえへっだよ」


「ふふん」


「まぁ、またなんかあったらよろしくな」


「うん」


晃と楽しく話していたら、彩那が急に抱きついてきた。


「鈴ーさびしいよー」


「大学同じなんだから、いつでも会えるよ」


「クラス違ったら?」


「クラスが違っても会いに行く~」


「鈴~」


「彩那~」


「二人でベタベタするなんて、かわいくないな」


「それ、風間くんが言う立場?」


「まぁまぁ、二人とも落ち着いて!!」



確かに、晃が言ってることは正論で正しい。


端から見たら、私達きもいかも。
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