キスに秘められた大粒の涙
「じゃあ、その子供は誰の子だと思う?」


「それはお互い愛し合った子じゃねぇの?」


何かベタすぎる。

そんなことは誰だって分かるよ。

私はただ、相手の名前を知りたかったの。



「そうだね…」


「何、いきなりどうした?
俺の口に何か付いてて、それで紛らわせようとしてくれたとか…?」


「違う、全然違うよ
何でもないから、気にしないで!!」


「俺、そういうの嫌い
俺さ、鈴に素直になれ って言ったよな?
何で素直になれないんだよ」


晃はひどく俯いたまま、中々顔を上げない。

何で晃が落ち込むの?


私が変なことを聞いたせい?



それならごめんね…晃。


私はただただ、心の中で晃に謝ることしか出来なかった。
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